帝冠様式 (Teikan (Imperial Crown) Style)

帝冠様式(ていかんようしき)は、昭和初期の日本で流行した、鉄筋コンクリート造の現代建築に和風の瓦屋根を載せた和洋折衷の建築様式である。

概要

1930年代のナショナリズムの台頭を背景に、モダニズム建築に対抗して日本で発生した建築様式である。
現代的なビルに日本の伝統的な屋根を載せた非常に特徴的な意匠を持つ。
「軍服を着た建物」という異名をもつ建築物様式としても知られる。

実用を兼ねて容易に日本的な意匠を表現できる事から、日本国内のほか、日本の同盟国であった満州国でも用いられ、現存するものも多い。
しかし昭和初期に発生した事から、それ以前に日本の植民地として組み込まれた朝鮮や台湾島などには少ない。
それらの地域では日本統治時代の残照として新古典主義建築様式が目立つ。

代表的な建造物

神奈川県庁舎(小尾嘉郎、1928年)
名古屋市役所庁舎(平林金吾、1933年)
軍人会館(現・九段会館)(小野武雄、1934年)
関東軍司令部(現・中国共産党吉林省委員会)(1934年)
東京帝室博物館(現・東京国立博物館)(渡辺仁、1937年)
静岡県庁(中村與資平、1937年)
旧樺太庁博物館(現・サハリン州郷土博物館)(貝塚良雄、1937年)
愛知県庁舎(愛知県建築部営繕課、1938年)

[English Translation]