べとべとさん (Betobeto-san (one of Yokai [Japanese folk monsters]))

べとべとさんは日本の妖怪の一種で、暗い夜道を歩く人間の後をつけてくる。

足音はするし、気配も感じるが、その姿は見えない。
奈良県宇陀郡や静岡県などで出没するという。

足音がするのみで人に危害を加えることはないとされるが、足音を不気味に感じるときには「べとべとさん、御先にお越し」(奈良県)または「お先にどうぞ」(静岡県)と唱えれば、ついてきた人間から離れるという。
妖怪漫画家・水木しげるはこの妖怪と思われるものと遭遇したことがあると語っている。

元来音だけで姿が見えない存在なのだが、その姿は水木しげるの想像によって図化されており、丸い頭部に足が生えた格好で、微笑んだような愛嬌のある口が大きく開いている(※図化された姿はあくまで水木の創作である)。
消えるときの仕草や図化された姿などから、愛らしさを感じる者が多く、人気がある妖怪の一つである。
鳥取県境港市の観光協会による「第1回妖怪人気投票」では、9位に選ばれている。

福井県に伝わるびしゃがつくも同様の妖怪である。
近年知られる、テケテケも足音の妖怪としてほぼ同様の存在であるが、こちらは完全に恐怖の対象として語られる存在である。

[English Translation]