五大紋 (Godaimon (The five major family crests in Japan))

五大紋(ごだいもん)は、日本の家紋のうち、一般的に特に多く分布する藤、桐、鷹の羽、木瓜、片喰の5つの紋のことを指す。

概要

これらを、いつごろに誰が何を基準にして定めたものかは不詳である。
またこれらに、蔦、茗荷、沢瀉、橘、柏の5つを加えて「十大紋」と呼ぶ。

日本家紋研究所のデータでは、全国平均で最も多い占有率を示したものは「片喰紋」(約9パーセント)で、五大紋の内で最少の占有率は「桐紋」(約5パーセント)であったという。
ちなみに、この日本家紋研究所調べの全国平均占有率の並びでは、上位から片喰・木瓜・鷹の羽・柏・藤、次に桐・蔦・梅・橘・目結の順である。

サイト「日本の苗字七千傑」の「都道府県別代表家紋一覧」には、特に多く使用されている家紋を、都道府県別に10個程度選出して表にまとめられている。
それによると、藤、桐、鷹の羽、木瓜、片喰の紋がそれぞれ、46の都道府県の約半分、またはそれ以上において「代表家紋」としてランクインしている。

五大紋の特徴

この5つの家紋が特に普及している主な理由は以下の通り。

フジ (植物)
藤紋は、藤の花や葉を図案化したものである。
一般家庭での普及はあるものの、藤原氏流(97家)の使用例は、うち7家のみであるといわれている。

藤原氏系の流れで、名前に「藤」を入れた苗字(佐藤姓、加藤姓、斉藤姓など)を用いる家があり、その多くが藤紋を使っている。
佐藤姓では、藤紋より源氏車紋を用いる者が多い。

桐紋

桐の花及び葉を図案化したものである。
菊花紋章と共に皇室の用いた家紋である。

次第に天皇から将軍家へ、将軍家から家臣へと下賜されていった。
名家から庶民まで幅広く流行し、現在では、比較的ポピュラーな家紋として定着している。

鷹の羽

鷹の羽を図案化したものである。
主に、並び鷹の羽や違い鷹の羽などといったものがある。
江戸時代には、武士の間で流行した。

木瓜紋

木瓜紋は、瓜の切り口や瓜そのものを図案化したものとする説や鳥の巣とする説など何を図案化したのかの見解や説が幾つかある。

カタバミ

片喰(酢漿草)紋は、カタバミを図案化したもので桐紋の次に流行した植物図案の紋である。
子孫繁栄の願いを込めた紋として、大衆に広く使用されている。

[English Translation]