座敷 (Zashiki)

座敷(ざしき)は、(中世においては)字義通り、座るために、褥(しとね)などを敷いたところ。

現在の一般住宅で、一番よい和室。
日当たり・風通しがよく、床の間が設けられていることもある。
冠婚葬祭などの儀礼や改まった年中行事の場として用いる。
また、来客を接待したり、宿泊させることも多い。
→ 書院造書院造の普及も参照。

飲食店や宿泊施設などで、酒宴を行うためにもうけられている大きな和室。

芸妓のしごと。
宴会に呼ばれて歌舞音曲を催したり、接客をすること。
「お座敷がかかる」などと用いられる。

お座敷唄
長唄・端唄・小唄・上方歌など、三味線の伴奏で歌われる俗曲。
歌舞伎のなかの舞踊曲や、清元などを起源として、文化・文政(1803 - 1830)のころから盛んになったといわれている。
芸妓や遊女がお座敷で歌ったほか、庶民の間にも流行した。

日本の歌謡曲(流行歌)の起源については、川上音二郎などの演説歌=演歌とする説が有力である。
昭和初期、レコード会社が次々にでき、それぞれの会社所属の歌手が名乗りをあげたとき、徳山璉、佐藤千夜子、藤山一郎、淡谷のり子などの歌手がいた。
声楽出身の歌手に混じって、小唄勝太郎、市丸、赤坂小梅、美ち奴などの芸妓出身の歌手も多く出ていた。
また、お座敷唄の流れを引く流行歌がかなりあった。

とくに1950年ころからは、朝鮮戦争がらみの好景気で、全国の料亭などが繁盛した。
歌謡界でもそれにあやかるように、お座敷唄あるいはお座敷ソングと呼ばれる歌のレコードがたくさん発売された。
神楽坂はん子や久保幸枝などの歌手がデビューした。
『芸者ワルツ』や『トンコ節』などが一世を風靡した。

[English Translation]