投扇興 (Tosenkyo)

投扇興(とうせんきょう)とは日本の伝統的対戦型ゲームの一種である。
桐箱の台座上に立てられた「蝶」と呼ばれる的に向かって扇を投擲する。
そして、その扇・蝶(的)・枕(台座)によって作られる形を判定することにより点数を算出し、その高低を競う。

歴史・由来
由来の一つとして木枕に蝶が休んでいる所に扇を投げつけた所その蝶と扇が舞い、木枕に乗る様子がおもしろいとしたというものがある。

江戸時代にお座敷芸として開発され明治時代まで頻繁に行われたが、その後一度廃れた。
戦後において雅であるということにより復興された。

平成になってからテレビなどでも取り上げられるようになった。

流派
其扇流(きせんりゅう)・御扇流(みせんりゅう)・都御流(みやこおんりゅう)・戸羽流(とわりゅう)等が存在する。

其扇流
マスメディアによって取り上げられることが多い流派。
現在の家元は市川團十郎 (12代目)。

1975年ごろから浅草観光連盟に於いての扇塚供養のイベントとして浅草にゆかりのあるものとして復旧された。
東都浅草投扇興保存振興会を中心に活動が行われている。

『源氏物語』より銘を採っている。

御扇流
日本投扇興保存振興会を中心に活動を行っている。
1974年に結成された。

秋篠宮文仁親王が幼少時に楽しんだ記録などもある流派。

百人一首より銘を採っている。

都御流

戸羽流

ゲームの流れ・ルール
流派によって流れも大きく違う。
緋毛氈上の枕の上に蝶を立て扇を用いて蝶を狙う点を除くと違う面が多い。

但し、座っている座布団から尻を浮かせてはならない点は共通である。

扇・蝶・枕によって作られる形を投扇興では「銘」と呼ぶ。
銘は『源氏物語』中の宇治十帖を含む54名よりその名前が取られているものの、一部地方の地名や百人一首などを銘として利用するものもある。
また流派により同じ銘においても定義や点数が違い、また行司の采配にも影響される面がある。

したがって、流派が違う時点でルールや狙いに関しては違うものと考えておいた方がよい。

基本的に枕を倒した場合の得点は低く(流派によってはマイナス点)、形が精美かつ難易度の高い形になった場合の得点は高くなるように設定されている。

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