柊鰯 (Hiiragi-iwashi)

柊鰯(ひいらぎいわし)とは、節分に、魔除けとしてヒイラギの小枝と焼いたイワシの頭を門口に挿したものをいい、柊鰯を挿すのは古くからの日本の習慣である。
やいかがし(焼嗅)、やっかがし、やいくさし、やきさし、ともいう。

柊の葉の棘が鬼の目を刺すので門口から鬼が入れず、また鰯の臭いで鬼が近寄らないと言う(逆に、鰯の臭いで鬼を誘い、柊の葉の棘が鬼の目をさすとも説明される)。

平安時代には、正月の門口に飾った注連縄(しめなわ)に、柊の枝と「なよし」(ボラ)の頭を刺していたことが、土佐日記の中に出ている。
現在でも、伊勢神宮で正月に売っている注連縄には、柊の小枝が挿してある。
江戸時代にもこの風習は普及していたらしく、浮世絵や、黄表紙などに現れている。
奈良県奈良市内では、多くの家々がこの風習を今でも受け継いでいて、ごく普通に柊鰯が見られるが、京都府京都市内では見かけない。
福島県から関東一円にかけて、数多くはないが、今でもこの風習が見られるとされる()。
東京付近では、柊と鰯の頭にさらに豆柄(まめがら。種子を取り去った大豆の枝。)が加わる。

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