歌謡 (Kayo)

歌謡(かよう)とは、音楽性を伴う韻文形式の作品のことをいう。
歌詞をその音楽と分けずに言及する言葉であり、朗読する詩歌に対して歌う詩歌を指す言葉である。
民間で歌謡は多く文字として記録されない口頭文学として常に存在した。

日本では神楽歌・催馬楽・今様・宴曲・小歌などがある。

日本の歌謡

日本の歌謡は、『古事記』『日本書紀』『風土記』や『万葉集』に所載されたものから見ることができる。
『古事記』『日本書紀』の2書にある歌謡は「記紀歌謡」と呼ばれる。

中国の歌謡

中国最古の詩集である『詩経』はもともと歌謡であり、音楽・舞踊をともなっていたことが知られている。

前漢の時、民間歌謡を収集する楽府という役所が作られた。
以後、ここで集められた作品、あるいはそれ以後の民間歌謡を「楽府」(がふ)と呼ぶようになった。
なお漢詩は歌謡から独立して朗読する文芸となった。
歌と詩の分離は、後漢末、建安 (漢)頃であったと考えられている(建安文学)。
唐中葉頃から「詞」と呼ばれる新しい歌謡文芸が生まれた。
詞は宋代に盛行し、宋詞の名がある。
詞は後には詩と同様、音楽性から独立して朗読されるようになった。
宋代から「曲」と言われる歌謡文芸が興り、元代になって隆盛した(元曲)。
曲は戯曲 (中国)といわれる劇中で使われるものと歌謡だけの散曲があり、形式的には小令と套数という二つのものがある。

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