歳寒三友 (Saikan no sanyu (the three friends of winter))

歳寒三友(さいかんのさんゆう)は、宋 (王朝)代より始まった、中国の文人画で好まれる画題のひとつである。
具体的にはマツ・竹・ウメの三つをさす。
三つ一緒に描かれることも多いが、単体でも好んで描かれる。
日本では「松竹梅(しょうちくばい)」と呼ばれる。

松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。
これらは「清廉潔白・節操」という、文人の理想を表現したものと認識された。
日本に伝わったのは平安時代であり、江戸時代以降に民間でも流行する。
しかし、「松竹梅」といえば「目出度い」ことの象徴と考えられており、本来の、中国の認識とは大きく異なっている。

始原と考えられているのは、中国の宋代において、文同、蘇軾等が竹を水墨画の主題として描き始め、後、梅・ラン科・キク・松と画題の広がりを見せていく。
その中でも、松・竹・梅の三者が前記理由で特に頻繁に取り上げられていくのである。
元 (王朝)・明代には、陶磁器に描かれる主題としても好まれるようになる。
日本においては、主に陶磁器・漆器・染織に描かれることが多い。
また、門松・雛人形そして結婚式・出産等の慶事に用いられる主題として民間に定着し、「鶴亀」等の主題と組み合わせて用いられることもある。

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