相打ち (Aiuchi)

相打ち(相討ち、相撃ち、あいうち)とは、剣道などで、双方が同時に相手を打突すること。
転じて勝敗のない事である。

剣道における相打ち

試合中に両者の有効打突が同時に行われること。
双方の打突とも無効打突となる。
面の時は、相面といい、小手の時は、相小手と呼ばれる。

相打ちに関する諸々の話

剣術流派によっては、相打ちを極意とするところもあり、こうした傾向は江戸時代後期では特に強い。
相打ちを重要視している剣術は、陰流系統の流派に多い。
また、日本拳法でも達人が相打ちを重要視している(心構えの一つとして)。

皮を斬らせて肉を断つ~骨を斬らせて髄を断つとあるように、剣術流派における相打ちの概念とは、自分が勝って生き残る事が前提である。
相打ちに見えるようで、相打ちではない場合もある(ボクシングのクロスカウンターに似た側面がある)。
これはどのような達人同士であってもわずかに実力差が生じる為とされる。
事例としては柳生三厳の逸話であり、映画『七人の侍古典からの引用』にも引用されている。

戦国時代 (日本)、弓矢の達人と鉄砲の達人が相撃ち死したと言う伝承がある。

江戸時代の決闘の話の一つに、闘いが長引き、両者とももう助からないほど流血した為、互いの同意で、潔く同時に喉を突き、相打ち死した(喧嘩両成敗と感覚は同じであり、互いに後悔や遺恨の念が残らない意図・配慮がある)。
これは意図的に相打ち死した事例である。

当然の事だが、多人数相手に相打ちを狙う事は難しい。

西洋の神話・伝説(ベオウルフ等)、モンスター映画や漫画と言った創作物では相討ちは好まれる演出の一つ。

相討ち死した人物

北条宗方
小野忠明の祖父
筑紫広門の弟(厳密には時間差あり)

[English Translation]