稚児髷 (Chigomage (hair-style for kids))

稚児髷(ちごまげ、ちごわげ)は、平安時代~安土桃山時代の少年の髪形、及び、それに類似した江戸時代から結われた少女の髪形。
稚児輪(ちごわ)、唐輪(からわ)、唐子髷(からこまげ)とも呼ばれる。

結い方

共通
頭頂部でひとつにまとめた髪を左右に分けてそれぞれ輪にし、毛先を根元に納めて幅広の丈長をかけて結い終わる。

少年の髪形
前髪を膨らませず、中央で左右に分ける。
角前髪と同様に月代を剃る。

平安時代に稚児@大規模寺院の髪形として結われる様になり、後に皇族、平安貴族の少年の髪形として一般化する様になった。
江戸時代以降は天皇家以外では殆ど姿を消した。
現代では極一部の歌舞伎舞踊や祭で見られるだけになった。

少女の髪形
江戸時代以降は少女の髪形として結われる様になった。
髷自体は少年の髪形と殆ど同じだが、前髪を眉尻の上辺りから広くとって上に上げるのが最大の特徴(おかっぱ頭の頭頂部に小さな髷を結う場合も多い、また幼い少女向きに前髪をとらないかたちもあった)。
本来髪飾りは一切使用しないが、大正の初期ごろから花簪などを挿して飾るようになった。
10代の少女の場合は桃割れや銀杏返しに類似した髪形となる場合も多い。

特に身分の高い武家や公家の姫君の側近くに仕える、五、六歳から十二歳ぐらいの「お小姓」(大名などに仕える武家の少年使用人である小姓とは別)と呼ばれる少女によく結われた髪型。
簡単に結う事が出来、古風で可憐で気品があることから明治から昭和戦前に掛けて一部の幼稚園・小学校(いわゆるお嬢様学校)では稚児髷に紫袴を制服に制定した(中学生以上は束髪)。
現在でも七五三や十三参り、祭礼などに参加する少女が結うことがある(但し、現在では晴れ着の少女の髪形は結綿や勝山髷が主流で稚児髷は思ったほど多くない)。

稚児髷が見られる祭り等
現代に於いては稚児髷は、思ったほど多くは見られない。
それを見る事が出来る祭りや、舞踊作品、等をここで挙げる。
(※少年の髪形)

歌舞伎舞踊等
五條橋※(長唄)
橋弁慶※(長唄)
雛の宵(長唄)
わらべ鶯(長唄)
祭り等
4月:源氏まつり※(川西市)
4月上旬:羽村春祭り(羽村市)
4月19~20日:古川祭※(飛騨市)
5月3日:先帝祭@赤間神宮(下関市)
6月14日:住吉の御田植※@住吉大社(大阪市住吉区、少女が少年の髪形)
7月下旬:人間ジャンボひな壇@岩槻祭り※(さいたま市岩槻区)
7月下旬:原町祇園祭(東吾妻町)
8月上旬:中之条祇園祭(中之条町)
9月上旬:伊勢町祇園祭(中之条町)
9月第4月曜:櫛まつり@安井金比羅宮(京都市)

[English Translation]