香 (Ko (incense))

香(こう、incense)とは、本来、伽羅、沈香、白檀などの天然香木の香りをさす。
そこから線香、焼香、抹香、塗香等の香り、またこれらの総称として用いられる。
お香、御香ともいう。

仏教の発祥地であるインドは多くの香木の産地であり、また酷暑の気候による悪臭を防ぐために、香は重要な役割を果たしている。
仏教では、香を焚くと不浄を払い心識を清浄にするとされ、仏前で香を焚き、花や灯明とともに仏前に供することを供養の基本としている(「香華を手向ける」という言葉がある)。
また仏像、仏具の材料として香木を用いる事も多く、経典の中にも香についての記述は多い。
仏教と深い関わりがある他、多くの宗教でも用いられている。

キリスト教では正教会が振り香炉などで頻繁に用いる。

香の歴史はかなり古く、紀元前3000年前のメソポタミア文明のころまで遡る。
種類も多く、白檀、丁香などのように樹木の皮、葉、根などの粉末や、乳香、安息香など、芳香のある樹脂や麝香、竜涎香など動物性のものがあり、ふつう香木(明香)と練香(煉香、合香)とに分けられる。

また使用方法の違いで、焚いて使用する香(焼香)と、焚かずに体に塗る香(塗香)に大きく別けられる。
このうち焼香も形状によって、棒状、コイル状、渦巻状の線香・粉末状の抹香に別けられるが、種類は多種に上る。

香の香りをかぐことで、脳内にアルファ波や、エンドルフィンなどの心地よさをもたらす物質が分泌され、癒し効果がある。

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