今上天皇 (Kinjo Tenno (the present emperor))

今上天皇(きんじょうてんのう)は、その時点において天皇として在位している人物を指す呼称。

平成年(年)月現在の今上天皇は昭和天皇の第一皇子で諱(いみな)は明仁(第125代天皇)。

今上天皇の呼称について

今上は、「いまのうへ」という大和言葉を漢字で書いたもので、漢語由来の「聖上」と同じように、現在の帝を意味する語である。
当今(とうぎん)ともいう。

日本では、敬意を示すものについてはっきりした言い方を持たない文化があり、当代の天皇の呼称もあまり発達しなかった。
しかし、大正天皇や昭和天皇と並べて表記したい場合に、「今上」もしくは「今上陛下」では言葉のすわりがよくないことと、「今上天皇」と表記すると語感から客観的な表現に感じられるため、中立を求められる表現の中で使用される頻度が高くなってきた。
また皇后美智子も「今上陛下」と公の場では呼んでいる。

天皇の敬称は、諸外国の国王・女王と同様に「陛下」が使われている(皇室典範で規定)が、今上天皇陛下とは言わず、今上陛下、天皇陛下もしくは陛下、現在では殆ど使われていないが帝(みかど)とのみ呼ばれる。
また、明治天皇、大正天皇、昭和天皇などの呼称は、それ自体に敬意が込められた諡追号であるため、昭和天皇陛下とも言わない(口頭では「昭和の天皇陛下」という言い方をすることがあるが、この場合の「昭和」は「昭和時代」の意であると解される。ただ皇后美智子は昭和天皇を「先帝陛下」と公の場では呼んでいる。ただ皇后美智子は昭和天皇を「先帝陛下」と公の場では呼んでいる)。

現在での用例

現在、日本では口語の中で「今上天皇」と言う呼称を用いる事は少ない。
政府などの公的機関および主要メディアなどでは皇室典範に定められる敬称の陛下を入れて「天皇陛下」と呼称することが多い。
おそらくその影響で一般人の間でも通常「天皇陛下」の呼称を使用する者が多い。
一方、所謂「天皇制」に批判的な者、また基本的に敬称を避ける傾向にある学術的な世界などにおいては「天皇」と呼び捨てることも多い。

歴史的話題で複数の天皇が話題に上がっている場合、口語として「今の天皇」もしくは「今の天皇陛下」と言うことがある。

また、外国では「The emperor」と呼ばれることから「名前+天皇」の用例がある(例『ラストエンペラー』での「裕仁天皇」)。
国内でも同様の用例は見られるが、名指しは天皇に特別な敬意を示さない意思表示として受け取られる場合も多い。

「平成天皇」という呼称について

一部の出版物及び印刷物において、敬称を用いない三人称として「平成天皇」が用いられる事があるが、これには賛否両論がある。

こうした表記法は、第二次世界大戦後、一部の出版物で昭和天皇を「今上天皇」と表現せず、既に「昭和天皇」と表記していた事が始まりとされる。

反対論

「平成天皇」という呼称は当人の死後の追号・諡の形式であることから、これを生前に使用することは誤っている。
追号は天皇が崩御した後に贈られる称号であり、制度上は必ずしも元号が追号になるわけではない(明治以降は慣例を踏襲しただけであり、旧皇室令等でも規定されていない)。

テレビや新聞で「平成天皇」という呼称が用いられないのは、前述したように「追号になるはずの“平成天皇”を存命中に用いるのは不敬」という考えに起因するからだと考える人が、いわゆる保守派を中心にして多い。

賛成論

「平成天皇」という呼称が間違った表現とされているわけではないし、古舘伊知郎など、「平成天皇」の呼称をよく用いる有名人もいる。
天皇の呼称に統一性を持たせる意味や、明治以降の「元号天皇の呼称」という規則(一世一元の制)に倣う意味で、「平成天皇」と呼ぶことは便利である。

[English Translation]