御璽 (OK)

御璽(ぎょじ)とは天皇の璽(公印)のこと。
印文は篆書体・角印で「天皇御璽」(2行縦書で右側が「天皇」、左側が「御璽」)であり、法律・政令・条約の公布文や批准書、大使の信任状、内閣総理大臣・最高裁判所長官などの任命の官記や交代の辞令書に捺される。

御璽の歴史は奈良時代に遡る。
歴代銅で鋳造されたが、1868年(明治初年)小曽根乾堂製作の石印だった。

現在の御璽は強度を保つために合金(十八金)で作られており、大きさは方3寸(約9cm)、重量は約4.5kgある。
1874年(明治7年)、京都に住む印鑑の名匠、安部井櫟堂(あべい れきどう:1805 - 1883)が命じられ、国璽と共に1年がかりで製作した。
保管は専用の皮革袋に入れる。
捺す際は、国立印刷局特製の朱肉を用いて、曲がったりずれたりしないように、かつ御名の端に少しかかるように専用の定規(印矩)を当て捺印す。

御璽を行使の目的で偽造すると印章偽造の罪第164条第1項により2年以上の有期懲役に、偽造した御璽で詔書等の文書を偽装した場合は同法第154条第1項により無期又は3年以上の懲役に処せられる。

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