舞鶴港 (Maizuru Port)

舞鶴港(まいづるこう)は京都府舞鶴市にある重要港湾。
港湾管理者は京都府。
2004年より京都舞鶴港の通称が与えられている。

明治時代に日本海側唯一の海軍鎮守府舞鶴鎮守府が開府し、軍港として繁栄した。
日露戦争の際、そのほとんどの船がここから出港したことは有名で、シベリア抑留等からの引き揚げの際も多数の船が舞鶴港に帰港している。

現在は大きく2つの港に分れており、東港が海上自衛隊舞鶴地方総監部が鎮座する軍港、西港が中華人民共和国・大韓民国・ロシアなどへの定期航路をもつ国際貿易港として発展している。
なお第3種漁港である舞鶴漁港についても本項で述べる。

概要

日本海に面する舞鶴港は、若狭湾西部の舞鶴湾にあり、外海に対して入り江になっているため、比較的天候に左右されにくく、天然の良港として知られている。
港湾自体は大きく分けて東港と西港に分けられる。

なお、2005年(平成17年)に、共同通信社と全国地方新聞社連合会が企画・編集した「港50選」のひとつに選ばれている。

舞鶴東港

東港は1901年に軍港に指定され舞鶴鎮守府が開設されて以来、大日本帝国海軍が港湾のみならず、本来単なる入り江に過ぎなかった東舞鶴地区の土地造成も行った。
現在でも海上自衛隊の第3護衛隊群や舞鶴総監部などが基地を構え日本海側防衛の重要拠点となっている。
近年では朝鮮民主主義人民共和国の工作船事件などで軍事上の重要度が高まり、舞鶴飛行場が建設され舞鶴航空隊や特別警備隊が配備された。

また東港では旧帝国海軍舞鶴工廠の伝統を受け継ぐユニバーサル造船があり、自衛隊桟橋の先に造船ドックを見ることができる。

舞鶴フェリーターミナル
東舞鶴駅より2.3km先にある前島埠頭に設置されている。
公共交通機関でのアクセスは通常はないが、夏季等繁雑期のみフェリー発着時間に合わせて東舞鶴駅より路線バスの運行が行われることがある。
また新大阪駅からの連絡バスが繁雑期以外にも運行されていることが多いため比較的使いやすい。
タクシーで東舞鶴駅まで約5分ほどかかる。
車の場合舞鶴東インターチェンジより約15分程度。
以前は西港の舞鶴港湾合同庁舎付近がフェリー埠頭であり、東港の前島埠頭付近に海保が常駐していた。

新日本海フェリー
舞鶴港 - 小樽港(週6便運航)
舞鶴港 - 苫小牧港(不定期)

観光名所・遺跡

東港は前述の通り、明治時代より軍港として発展してきた関係から、多くの旧日本海軍関連の遺跡を有している。
特に近年では舞鶴赤レンガ倉庫群などでは映画の撮影なども行われるなどしている。
他にも世界中の煉瓦を集めた赤れんが博物館や、舞鶴市の歴史や風俗を展示した舞鶴市政記念館なども整備されており、観光名所ともなっている。
また2008年(平成20年)には国の重要文化財に指定される見込み。
春には引揚記念公園、共楽公園、円山公園、夕潮台公園などの桜が市民にも親しまれている。

舞鶴西港・舞鶴漁港

西港は田辺城 (丹後国)の城下町として発展してきたため、江戸時代より商港として発展してきた。
しかし、1989年に舞鶴若狭自動車道・舞鶴西インターチェンジが開通したことにより、物流の要として注目されている。
現在、平成20年初頭の完成を目指して、国際多目的ターミナル・和田埠頭(仮称)が建設中で、埠頭完成時には5万トン級のフルコンテナ船が就航できる。
また埠頭から高速道路へ直接アクセスできる国道27号バイパス「西舞鶴道路」も計画中であり、国際物流港としての重要性がますます高まりつつある。
また港内には舞鶴港湾合同庁舎内に海上保安庁第八管区海上保安本部もある。

また西港地区は漁港漁場整備法における舞鶴漁港を内包し(法的にはこの区域は舞鶴港ではない)、大型定置網漁船の拠点となっている。
舞鶴市により、海産物即売所である舞鶴港とれとれセンターが建てられている。

2004年(平成16年)9月30日には、生活道路たる国道の扱いで存続し70年の歴史を持つ舞鶴汽船が、利用者の減少と船の老朽化により廃止された。

就航している定期航路
国際貨物航路
中国定期航路(舞鶴-上海市・大連市・青島)-週1便運行。
運航会:神原汽船。

韓国定期航路(舞鶴-釜山)-週2便運行。
運行会社:興亜海運。

ウラジオストク航路(舞鶴-ウラジオストク)-今秋にも開設予定。
運行会社:大宇ロジスティックス。

ナホトカ定期航路(舞鶴-ナホトカ)-月1便運航。
運航会社:飯野海運。

日中・日本海定期航路(舞鶴-清津・ボストチヌイ港)-月1便運航。
運航会社:商船三井、FESCO。

国際旅客航路
ウラジオストク航路(舞鶴-ウラジオストク)-今秋にも開設予定。
運行会社:大宇ロジスティックス。

国内航路
日本海フェリー航路(舞鶴-小樽)-毎日運行。
運行会社:新日本海フェリー。

日本海フェリー航路(舞鶴-苫小牧)-不定期。
運行会社:新日本海フェリー

海事機関
第八管区海上保安本部
舞鶴保安部
第八管区情報管理センター(旧舞鶴情報管理センター)
舞鶴海上保安航空支援センター(北近畿海上保安航空支援センター)
国土交通省舞鶴海運支局
大阪税関舞鶴税関支署
大阪入国管理局舞鶴港出張所
検疫所舞鶴出張所
植物防疫所舞鶴出張所
近畿地方整備局舞鶴港湾事務所
舞鶴海洋気象台

朝鮮民主主義人民共和国との関係

舞鶴港は、朝鮮民主主義人民共和国からの入港隻数が252隻と国内最多である。
国内2社が接岸・荷役業務を行っていたが、うち1社は拉致の高まりを受けて取引を停止した。
残る日本通運舞鶴海運支店も北朝鮮によるミサイル発射後、北朝鮮との取引を停止していたが、2006年7月28日より舞鶴港に北朝鮮からの貨物船が荷降ろしを始めている。
2006年10月の北朝鮮による核実験の実施に伴い、国内への北朝鮮籍の入港は禁止されることとなる見通しである。

沿革

1901年(明治34年):舞鶴鎮守府開庁。

1922年(大正11年):内務省、舞鶴西港を指定港湾に指定。

1945年(昭和20年):舞鶴地方引上援護局が設置される。

1951年(昭和26年):重要港湾に指定される。

1952年(昭和27年):舞鶴東港に海上警備隊(海上自衛隊)を設置。

1958年(昭和33年):ナホトカ定期航路開設。

1970年(昭和45年):舞鶴~小樽間に新日本海フェリーが就航。

1985年(昭和60年):舞鶴港線廃止。

1986年(昭和61年):日中・日本海定期航路開設。

1990年(平成02年):韓国・プサン定期航路開設。

1995年(平成07年):FAZ(輸入促進地域)の指定を受ける。

1997年(平成09年):FAZ施設として舞鶴21が開業。

1999年(平成11年):大連・青島定期コンテナ航路開設。

2005年(平成17年):航路再編が行われ、舞鶴~上海間が直通に。

2007年(平成19年):神原汽船の日中定期コンテナ航路が開設。

工業団地

喜多工業団地
倉谷工業団地 (京都)
平工業団地

[English Translation]