常夏 (Tokonatsu (The Wild Carnation))

常夏(とこなつ)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。
第26帖。
巻名は光源氏と玉鬘 (源氏物語)が常夏の花(ナデシコ)を詠んだ和歌に因む。

あらすじ
光源氏36歳の夏の話。

盛夏の六条院で、釣殿で涼んでいた源氏は夕霧 (源氏物語)を訪ねてきた内大臣家の子息たちに、最近新しく迎えられた落胤の姫君(近江の君)のことを尋ねる。
玉鬘を探していた頭中将だったが、代わりに見つかったという近江の君の芳しからぬ噂を源氏も知っていた。
源氏は、夕霧と雲居の雁の仲を許さない不快も手伝って痛烈に皮肉った。
二人の不仲を聞いて、いつになったら実父に会えるのか思い悩む板ばさみの玉鬘に、和琴を教えながらますます惹かれる源氏だった。

一方、源氏の皮肉を聞いた内大臣も激怒。
雲居の雁のところへ出向いて説教し、またあまりに姫君らしくない近江の君の処遇に思い悩む。
そこで長女弘徽殿女御の元に行儀見習いへ出すことを決めたが、女御へ贈られた文も和歌も支離滅裂な出来で、女房たちの失笑を買うのだった。

[English Translation]