俵屋宗達 (TAWARAYA Sotatsu)

俵屋 宗達(たわらや そうたつ、生没年不詳 - 慶長から寛永年間に活動)は、江戸時代初期の画家。
通称は野々村宗達。
号は「伊年」あるいは「対青軒」ほか。

概要

宗達は尾形光琳と並び称せられる、近世初期の大画家である。
しかし、その知名度の高さと後世への影響の大きさに比べ、その伝記には不明な点が多く、生没年さえわかっていない。
京都で「俵屋」という絵画工房を率い、主に扇絵を制作していたらしい。
しかし、宗達は単なる扇絵職人ではなく、当時の皇室から作画の依頼があった。
また、当代一流の文化人であった烏丸光広や本阿弥光悦らの書巻に下絵を描いていたらしい。
また、少なくとも寛永7年(1630年)には町の絵師としては異例の法橋の位が与えられていたことがわかっており、当時から一流の絵師とみなされていたことは疑いない。
その他、慶長7年(1602年)5月に行われた平家納経の修復に関わったと見られている。

光琳が私淑し、琳派の祖と言われるが、江戸時代後期から明治時代にかけては評価が低く、光琳の画の方が上だとみなされていた。
そのため、明治期に代表作の松島図屏風を始め、多くの作品が海外に流出した。
大正時代に評価が見直され、現在では光琳以上に評価が高い。
風神雷神図ほか3点が国宝に指定されている。

著名な「風神雷神図」のような装飾的大画面のほか、水墨画の作例もある。
水墨の名作「蓮池水禽(れんちすいきん)図」は、生乾きの水墨にさらに濃淡の異なる墨を含ませて「にじみ」による偶然の効果を狙った、いわゆる「たらしこみ」の技法が用いられている。

国宝

風神雷神図 - 建仁寺(京都国立博物館委託)

蓮池水禽図 - 京都国立博物館

源氏物語関屋及び澪標図(1631年) - 静嘉堂文庫

重要文化財

養源院襖絵・杉戸絵 - 養源院

西行法師行状絵詞 - 出光美術館

西行法師行状絵詞 - 個人蔵

舞楽図屏風 - 醍醐寺

蘆雁図衝立 - 醍醐寺

醍醐寺三宝院扇面貼交屏風 - 醍醐寺三宝院

金銀泥鶴図下絵和歌巻 - 京都国立博物館

金銀泥四季草花図下絵和歌巻 - 畠山記念館

蔦の細道図屏風 - 承天閣美術館

牛図 - 頂妙寺(京都国立博物館委託)

その他

松島図屏風 - フリーア美術館

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