石作皇子 (Prince Ishizukuri)

石作皇子(いしづくりのみこ)は、『竹取物語』に登場する五人の貴公子のひとり。

系譜

不明。
天皇家にこのような名前の皇子はいないため、架空の人物と思われる。
ただし、五人の貴公子のうち三人までが実在のため、石作皇子も歴史に埋もれている実在人物か、または既知の実在人物の別名の可能性がある。

モデル

江戸時代の国学者・加納諸平は文武天皇朝の左大臣多治比嶋を挙げている。
しかしながら島は皇子ではないため、天智天皇か天武天皇の皇子の1人ではないかという説もある。

経歴

『竹取物語』では、かぐや姫から自分と結婚する条件として釈迦が使っていたという神々しい光を放つ「仏の御石の鉢」を取ってくるようにいわれる。
だが、彼は天竺(インド)には渡らず、3年後に大和国十市郡の山寺で見つけた鉢を持参し、これが「仏の御石の鉢」だと主張した。
しかし、かぐや姫は鉢が光りを放たなかったためにこれを信じなかった。
追い詰められた石作皇子は「白山にあへば光も失するかと鉢(恥)を捨てても頼まるるかな」と洒落でごまかしたものの、これもまた相手にされなかった。

[English Translation]