中書島駅 (Chushojima Station)

中書島駅(ちゅうしょじまえき)は、京都府京都市伏見区葭島矢倉町にある、京阪電気鉄道の鉄道駅。

利用可能な鉄道路線

京阪電気鉄道

京阪本線

京阪宇治線 ※始発駅

駅構造

相対式プラットホームの間に島式ホーム1面がある3面4線の地上駅。
駅舎は南北双方(北改札は1番ホーム、南改札は4番ホームの、それぞれ淀屋橋寄り)にあり、各ホームは跨線橋と地下道で連絡している。
跨線橋と各ホームを結ぶエレベーターもある。

駅構内は急カーブ上に位置し、線路もそれによって1番線寄りに急傾斜している。
過去に脱線事故があった記録もあり、3番線発着の列車はかなり減速した上で駅構内へ進入する。
なお、宇治線の列車は後述の宇治側の留置線の辺りから駅構内にかけて15km/hで走行する。

ホームから東に(宇治寄り)に20m程進んだ所に宇治線を挟んで2線の留置線があり、北側の留置線は5両編成の車両が、南側(新日本理化)は7両編成の車両が留置出来る。
また、4番線の大阪側にも7連対応の留置線が1線設けられていて、臨時特急に運用される京阪3000系電車が待機していたこともあった。

宇治より南側留置線の本線進入部分に側線が設けてあるが、昔は伏見港まで引込み線が伸びていた。
これは第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)に、B-29の爆撃で交通網が分断された場合に備え、他の交通機関との連携強化ために敷設されたとされる(京都市電の側線も造られた)。
しかし、完成は終戦後の1946年(昭和21年)で1951年(昭和26年)には撤去されている。

淀駅の下りホームの位置変更により淀発の下り列車は淀駅初発準急以外、一旦中書島の4番線に入りそこから淀駅に向かっている。
その影響で4番線の宇治よりには7・8両用の乗務員専用の小型ホームが設置してある。
主に淀発下り準急と臨時急行運転時に見ることが出来る。

1番ホーム上にコンビニ(アンスリー)がある。
2・3番ホームにうどん屋「麺座」と、従来型の売店「セカンド・ポシェット」がある。

のりば

2・3番線は同一平面上にあるため、本線下り列車と宇治線列車の相互乗換は容易で、1・2番線は8両編成、3・4番線は5両編成まで停車可能である。
(3番線は2番線と隣同士でスペースはあるが、ポイント事情のため柵が付けてある)

なお滅多に使われない4番線だが、元々は宇治線から京阪本線に直通する三条(又は出町柳)行き列車用のホームであった。
2000年に宇治線と京阪本線の直通列車が中書島を境に系統分割された後も当駅折返し三条(又は出町柳)行ホームとして使用されていたが、2003年秋のダイヤ改正とともに当駅折返し列車は平日1往復となり、さらに2006年春のダイヤ改定後は当駅折返し列車が全廃されたため、現在は早朝のごく僅かの宇治線列車しか使用していない(平日2本、休日1本)。
かつて、非使用時間帯に4番線は閉鎖されていたが、現在は南改札口新設に伴い常時解放されている。

4番線は南改札口設置直後は「当駅始発 三条・宇治方面」の記載であったが、しばらくして「当駅始発(早朝のみ)」という表示に変わった。
とはいえ前述した通り、現在発着する列車は宇治線列車と回送列車のみとなっているため、実情と異なる記載になってしまっている。

発車メロディ導入駅であり、宇治行きの場合、発車案内放送が通常のものとは違うタイプになっている。
2003年のダイヤ改正時点では「3or4番線の各駅停車が発車します」となっていたが、その後「3or4番線の宇治行きが発車します」、そして2007年6月の自動放送更新後は「3or4番線・宇治行きの扉が閉まります」となった。
これは、宇治線内では1種類の列車(普通 宇治ゆき)しか運転されていないことと、3番線発車の場合は2番線に発着する京阪本線下り列車との誤乗を防ぐためと思われる。
同じようなタイプの放送は枚方市駅(私市行き)、京橋駅 (大阪府)及び天満橋駅(淀屋橋方面行き)にも見られる。

駅周辺

橋本駅 (京都府)同様、戦前までは遊廓があり賑わった。
現在は駅前に飲食店が軒を連ねるものの、かつての名残は遊廓だった一部の建物が民家として残るのみ。

新日本理化京都工場

伏見港公園

寺田屋(幕末、坂本龍馬が定宿し、また寺田屋事件の舞台になった老舗旅館である)

モリタ製作所

月桂冠大倉記念館

宇治川

バスのりば

京阪中書島

京阪バス/京阪シティバス/京阪宇治バス/京阪京都交通

6号経路:(桃山南口駅、大受団地経由)醍醐駅 (京都府)行(京阪バス山科営業所)

23系統:(ジャスコ久御山店、久御山団地経由)京阪宇治バス宇治営業所行

24,24A号経路:竹田駅 (京都府)西口行/淀駅行

25号経路(京阪宇治バスは25系統):(ジャスコ久御山店、久御山団地経由)大久保駅 (京都府)行(京阪バス京田辺営業所など)

高速バス:立命館大学行

京阪中書島・伏見港公園

京阪中書島から徒歩3分の伏見港公園そばにある。

京都市営バス

81系統:(竹田街道経由)京都駅行

20系統:(運転免許試験場経由)宮前橋西詰方面/(納所町経由)宮前橋西詰方面

22系統:(久我経由)南工業団地行

南3系統:竹田駅西口行

中書島

京阪中書島駅から徒歩3分の府道上にある。

京都市バス

19系統:(京阪国道経由)京都駅行/横大路車庫行

20系統:(免許試験場経由)宮前橋西詰方面/(納所町経由)宮前橋西詰方面

南8系統(桃陵団地前経由)竹田駅東口行き/(藤森神社前経由)横大路車庫前行き(終日、小型バスで運行。)

22系統:(久我経由)南工業団地行/横大路車庫行

81,特81系統:(竹田街道経由)京都駅行/横大路車庫行

南3系統:竹田駅西口行/横大路車庫行

19系統・20系統・南8系統のみ京阪バス、他は阪急バスに運行を委託されている。

京阪バス/京阪シティバス/京阪宇治バス

6号経路:竹田駅西口行/(桃山南口駅、大受団地経由)醍醐バスターミナル行

23系統:(ジャスコ久御山店、久御山団地経由)宇治車庫行

24,24A号経路:竹田駅西口行/淀駅行

25号経路(京阪宇治バスは25系統):(ジャスコ久御山店、久御山団地経由)大久保駅 (京都府)行

歴史

駅名の由来

文禄年間、中務省の職にあった脇坂安治が淀川の分流に囲まれた島に屋敷を建て住んだことから「中書島」の名前が生まれたとされる。
当時「官名」を中国風にしゃれて呼ぶ慣わしがあり(「中納言」を「黄門」と呼んだのがその一例)、中務少輔の職が「中書省」であったことから、脇坂は「中書(ちゅうじょう)さま」と呼ばれていた。
その「中書さま」の住む屋敷の島という理由で「中書島」と呼ばれるようになった。

正式な地名には使用されておらず、北浜町・西浜町・東柳町などが中書島とよばれる区画に属している。

年表

1910年(明治43年)4月15日 京阪本線開通と同時に開業。

1913年(大正2年)6月1日 京阪宇治線開業。
乗換駅となる。

1914年(大正3年)8月25日 京都市電伏見線(1918年7月1日より京都市電)が当駅まで延伸。

1916年(大正5年)4月1日 急行停車駅となる。

1943年(昭和18年)10月1日 会社合併により京阪神急行電鉄(阪急電鉄)の駅となる。

1949年(昭和24年)12月1日 会社分離により京阪電気鉄道の駅となる。

1967年(昭和42年)1月28日 構内地下道使用開始、構内踏切を廃止。
同時に折り返し用の3番線ホーム(凹形)を廃止しホームを広げ、それまでの4番線→3番線、5番線→4番線に呼称を変更。

1970年(昭和45年)4月1日 京都市電伏見線(塩小路高倉~中書島)が廃止。

1984年(昭和59年)6月2日 駅舎改築使用開始。

1985年(昭和60年)4月17日 2番線ホーム下にホーム転落検知装置装置を設置し運用開始。

1989年(平成元年)10月 構内跨線橋完成。

1991年(平成3年) 7月 1番ホーム、2.3番ホームに冷房付き待合室運用開始。

1993年(平成5年)1月30日 ダイヤ改正で平日朝ラッシュの淀屋橋行き特急6本に限り停車するようになる。
なお出町柳行きは引き続き全列車通過。

1995年(平成7年)12月27日 1番ホームの待合室が移動しリニューアル冷暖房完備。

1996年(平成8年)4月1日 構内跨線橋とホームの間にエレベーター3基を設置運用開始。

2000年(平成12年)7月1日 ダイヤ改正で特急終日停車駅となる。
宇治~三条(出町柳)間の直通列車がほとんど廃止されたことに伴い、昼間時に4番線発着の中書島~三条(出町柳)間区間運転列車が設定される(事実上、宇治直通列車の系統を当駅を境に分割した形)。

2003年(平成15年)9月6日 中書島~三条(出町柳)区間運転列車が平日朝の1本のみとなり、4番線発着列車が大幅減少。

2004年(平成16年)8月9日 駅南側にバスターミナル開設に併せて、南改札口新設。

2006年4月16日中書島~三条(出町柳)区間運転列車がダイヤ改定で全廃、淀駅の仮移転に伴う臨時電車の待機場所に4番線が使われるようになる。

2008年(平成20年)2月 「ホーム異常通報装置」新設。

2008年(平成20年)3月27日 各ホームにLED列車案内表示機を設置。

その他

京都方面から京阪宇治線方面への直通運転を考えれば、この駅でスイッチバックするよりも、伏見区の中心地に位置する北隣の伏見桃山駅からそのまま分岐した方が合理的と思われがちだが、同駅南側には既に民家などが密集していて、それを立ち退かせる費用や立ち退き対象の世帯の交渉が煩雑になることなどから、現在の形に至った経緯がある。
伏見桃山駅にとっては(丹波橋駅の存在もあり)、区の中心部にありながら優等列車が全く停車しなくなる一因になってしまった(丹波橋駅に奈良電気鉄道が乗り入れを開始するまでは急行停車駅だった)。

北口を出た北側には、京都市電伏見線の乗り場が1914年から1970年まであり、市電廃止後は代替の市バスをはじめとするバス乗り場として使われていた。
バス乗り場だった当時は、転回するスペースがないため、転車台が設置されていた。
その後バス乗り場が移転して一時空き地となっていたが、現在は有料駐輪場スペースとして活用されている。

本線から宇治線への乗り換え案内は、以前は「六地蔵・黄檗・宇治方面」と呼称していたが、2003年以降は「宇治線」とだけ呼称している。

隣の駅

京阪電気鉄道

京阪本線

■K特急

京橋駅 (大阪府) - 枚方市駅(平日朝下りのみ) - 中書島駅 - 丹波橋駅

■特急

樟葉駅 - 中書島駅 - 丹波橋駅

■急行

八幡市駅 - 中書島駅 - 丹波橋駅

■急行(淀始終着・競馬開催時の臨時停車列車)

淀駅 - 中書島駅 - 丹波橋駅

■準急・■普通

淀駅 - 中書島駅 - 伏見桃山駅

宇治線(全列車各駅に停車)

中書島駅 - 観月橋駅

[English Translation]