京都市営地下鉄烏丸線 (Kyoto Municipal Subway, Karasuma Line)

烏丸線(からすません)は、京都府京都市左京区の国際会館駅から同市伏見区の竹田駅 (京都府)までを結ぶ京都市営地下鉄の路線である。

京都市最初の市営地下鉄路線。
北大路~十条間は烏丸通の地下を通る。

路線データ

路線距離(営業キロ):13.7km

軌間:1435mm

駅数:15駅(起終点駅含む)

複線区間:全線

電化区間:全線電化(直流1500V・架空電車線方式)

閉塞 (鉄道):車内信号式(自動列車制御装置)

最高速度:75km/h

現在は全列車が6両編成だが、ホーム長として、それ以上の長さに対応できるようになっている駅がある。

路線の特徴

沿線には大学が多いため学生利用が多い。
沿線の主な大学として、起点側から…

・京都精華大学(国際会館駅からシャトルバス。
ただし叡山電鉄叡山電鉄鞍馬線京都精華大前駅の利用の方が多い)

・京都工芸繊維大学(松ヶ崎駅、叡山電鉄修学院駅からの利用者も多い。)

・京都府立大学、京都ノートルダム女子大学(北山駅)

・京都産業大学(国際会館駅・北山駅・北大路駅からバスが主な手段)

・大谷大学(北大路駅)

・同志社大学(今出川キャンパス;今出川駅)

・平安女学院大学(京都キャンパス;丸太町駅)

・佛教大学(紫野キャンパス;北大路駅からバス、四条センター;四条駅)

・龍谷大学(深草校舎;くいな橋駅(京阪本線深草駅の方が近い)、大宮校舎;京都駅)
がある。

また当然、京都観光に来た観光客の利用も多いが、沿線周辺の主要な観光地は京都御所(今出川駅、丸太町駅)や繁華街(烏丸御池駅、四条駅)くらいしかない。
そのために主要観光地へは京都市営地下鉄東西線に乗り換えるか、地下鉄の各駅から京都市営バス・京都バスなどの路線バス利用となることが多い。

運行形態

線内折り返し運転のほかに、竹田駅から近鉄京都線に乗り入れ直通運転を行っている。
昼間時間帯は近鉄京都線とダイヤサイクルを合わせるため7分半ごとに1時間8本(線内折り返し4本、新田辺直通普通2本、奈良直通急行2本)が運転される。
全線が都心を通る烏丸線内は全線通しの運転のみで区間運転はないため、利用者の多い京都~烏丸御池間は混雑し、両端の竹田及び国際会館に向かうほど閑散とする。
平日昼間より土休日昼間の方が利用者が多い。

線内折り返し

線内折り返し列車は、昼間は毎時4本運転される。
駅の行き先案内や方向幕は、単に「国際会館」「竹田」と表示される。

新田辺直通普通

近鉄京都線新田辺駅発着の列車が、昼間は毎時2本(30分間隔)運転される。
方向幕は「普通|新田辺」「普通|国際会館」で、烏丸線内でもそのままの表示である。

早朝に1本のみ近鉄宮津駅発国際会館行き普通が運転されている(近鉄宮津行きの列車はない)。
同志社大学京田辺キャンパスに近い興戸駅は急行が停まらないのと烏丸線直通普通が新田辺折返のため近鉄普通の運転間隔が7分半~22分半間隔に開いていて不便なため、新田辺駅へ乗入れる普通電車の近鉄宮津駅への延長の要望もある(詳しくは興戸駅の項を参照)。

近鉄奈良直通急行

近鉄奈良駅発着の急行列車(烏丸線内は各駅停車)が、昼間時間帯に(平日は朝にも)毎時2本(30分間隔)運転される。
方向幕は「急行|奈良」「急行|京都国際会館」であるが、国際会館行きは竹田で単に「国際会館」と表示を変更する(されずに直通する場合もある)。

自局車両

京都市交通局10系電車

注)近鉄線では地下鉄線と直通運転を行う竹田~新田辺・近鉄奈良間のみで運行。
近鉄線のみでの運行はなし。

烏丸線内での方向幕としては、国際会館、竹田の他に京都(近鉄車は近鉄京都行きがあるため使用)、北大路、北山のかつての終着駅、そして烏丸御池行きのものがある。
普段は使われることはない烏丸御池行きの方向幕だが、2005年5月23日の京都駅での発煙騒ぎの際に使われたことがある(地下鉄の車両は一部を除き、非常渡り線のある駅の行き先も入っている)。

乗り入れ車両

近畿日本鉄道

近鉄3200系電車

近鉄3220系電車

注)両者とも近鉄京都線、近鉄橿原線(急行のみ、主に近鉄京都発着)、近鉄天理線(急行のみ、運用数は稀少)、近鉄奈良線(主に普通、区間準急、準急)でも運行されている。
終日近鉄線内のみ、もしくは地下鉄烏丸線内のみの運用もある。
京都駅では烏丸線、近鉄線双方のホームに乗り入れている。

方向幕は京都市交車と同じ種別・行き先に加えて、近鉄線のみで使用する「京都駅」、「天理駅」、「橿原神宮前駅」、「近鉄難波駅」、「東花園駅」、「東生駒駅」、「大和西大寺駅」、「近鉄奈良駅」(普通、区間準急、準急、快速急行)等も入っている。

歴史

1981年(昭和56年)5月29日 北大路~京都間が開業。

1988年(昭和63年)6月11日 京都~竹田間が開業。

1988年(昭和63年)8月28日 近鉄京都線と相互直通運転開始。
新田辺駅まで。

1990年(平成2年)10月24日 北山~北大路間が開業。

1997年(平成9年)5月22日 京都市営地下鉄東西線の開業に先立って御池駅を烏丸御池駅に改称。

1997年(平成9年)6月3日 国際会館~北山間が開業。

2000年(平成12年)3月15日 国際会館~近鉄奈良間直通の急行を運転開始。

延伸計画

油小路通は高度集積地区に指定されており、活性化を期待して、竹田駅から近鉄京都線と分岐し横大路付近までの4.4kmを延伸する計画がある。
ルートは大手筋の下を通り、京阪本線の中書島駅と淀駅の間付近までとなっている。
近畿地方交通審議会(国土交通省の諮問機関)が2004年10月8日に中長期的に望まれる鉄道ネットワークとして、竹田駅以南の延伸計画を答申した。

実は昔、三栖までの事業免許を取得する直前まで計画は進んでいたのだが、そのときに伏見の酒造家たちが「地下鉄延長によって酒造に欠かせない地下水(伏水)が出なくなる恐れがある」と計画に猛反発した(なお奈良電気鉄道(奈良電)が1928年に、現在の近鉄京都線を伏見付近において地下線で建設する予定であったときも、同様の反対運動を起こして高架線に変更させたことがあった)ためといわれている。
結局、近鉄京都線に合流する形で新田辺駅まで乗り入れることでまとまったが、後に一部の電車は近鉄奈良駅まで直通するようになっている。

また、さらに淀川を越えて南進し、宇治川南部に計画されている洛南新都市や松井山手駅まで延伸する構想もある。

一方、北端は岩倉地区まで延伸する構想もあったがこちらは実現の可能性は限りなく低い。
叡山電鉄(出町柳駅~岩倉駅 (京都府)間)の利用者が減る懸念もある。

駅一覧

普通・急行:烏丸線内は各駅に停車。

乗り入れ区間である竹田~新田辺・近鉄奈良間の停車駅は近鉄京都線を参照。

(1) 東西線の乗降客数を含み、烏丸線・東西線相互間の乗り換え客数は含まない(つまり、烏丸御池駅の改札を通過した人数である)

(2) 近鉄京都線直通客を含む。

(3) 実際の湖西線分岐駅は東海道本線(琵琶湖線)山科駅だが、全ての列車が京都駅から発着し実質的な起点となっているためこの表に掲載した。

[English Translation]