叡山電鉄叡山本線 (Eizan Main Line, Eizan Electric Railway Co., Ltd.)

叡山本線(えいざんほんせん)は、京都府京都市左京区の出町柳駅から八瀬比叡山口駅までを結ぶ叡山電鉄の鉄道路線。

路線データ

路線距離(営業キロ):5.6km
軌間:1435mm
駅数:8駅(起終点駅含む)
複線区間:全線
電化区間:全線電化(直流600V)
閉塞 (鉄道):自動閉塞式
保安装置:自動列車停止装置(速度照査機能付)

概要

京都市中心部から三宅八幡駅付近までの生活路線および、比叡山や八瀬比叡山口駅付近への行楽路線である。
一乗寺駅付近までは住宅と町工場の混在した地域、三宅八幡駅付近までは住宅地の中を走る。
沿線には名所・旧跡も多く存在する。
三宅八幡駅をすぎると山裾を駆け上がり八瀬比叡山口駅に到達する。

八瀬比叡山口駅付近は比叡山へのケーブルカーへの乗り換えのほか、開業当時から京都電燈や地元が中心となり開発された。
一時期駅名となった遊園地「森のゆうえんち」が開設されるなど観光地として賑わった。
現在では一部の休日を除けば散策を楽しむような静かな観光地である。

運行形態

平日ダイヤと土休日ダイヤの2つを基本としている。

概ね、平日昼間時間帯は叡山電鉄鞍馬線直通の出町柳~二軒茶屋間の列車、出町柳~鞍馬間の列車、そして出町柳~八瀬比叡山口間の列車の順にそれぞれで20分間隔で運転され、鞍馬線直通電車の方が多くなっている。
土休日昼間時間帯は鞍馬線直通の出町柳~鞍馬間の列車と、出町柳~八瀬比叡山口間の列車がそれぞれで15分間隔で運転される。
朝と夕方以降には鞍馬線市原駅で折り返す列車があるほか、車庫のある修学院駅発着となる列車もある。
ごく一部の例外を除いて全列車ワンマン運転を行っている。

お盆や年末等は平日でも土休日ダイヤで運行されることがある。
観光シーズンには特別休日ダイヤが組まれることがあり、日中は最大で出町柳~鞍馬間の列車と出町柳~八瀬比叡山口間の列車がそれぞれ12分間隔で運転される。

歴史

京都電燈により開業し、同社の叡山電鉄部の下に置かれた。
また一時は、京都市電からの直通運転が行われていた。

1925年(大正14年)9月27日 京都電燈により出町柳~八瀬(現在の八瀬比叡山口)間が開業。

1928年(昭和3年)12月1日 鞍馬電気鉄道により現在の鞍馬線、山端(現在の宝ヶ池)~市原間が開業。
山端が接続駅となる。

1929年(昭和4年)12月20日 鞍馬電気鉄道が全通。
出町柳~山端~鞍馬で直通運転を開始。

1942年(昭和17年)3月2日 京福電気鉄道に譲渡。

1943年(昭和18年)7月10日 京都市電の東山線が延伸開業。
特認により東大路通とは交差点となる。

1944年(昭和19年)5月1日 山端(現在の宝ヶ池)~八瀬間が不要不急線として単線化され資材供出される。

1949年(昭和24年)12月11日 元田中~山端間で、京都市電からの乗り入れ運転を開始。

宝ヶ池にあった市営競輪場の観客輸送運行で、競輪開催日のみ実施。
車両は市電の京都市交通局1000形電車を使用し、叡山線内はホーム高さの関係でノンストップだった。

1951年(昭和26年)7月1日 山端~八瀬間が再複線化。

1954年(昭和29年)6月10日 山端駅を宝ヶ池駅に改称。

1955年(昭和30年)9月1日 この日をもって京都市電からの乗り入れ運転を終了。

当時の京都市議会から市営競輪場運営に対する異議が相次いだ事による競輪場閉鎖に伴うもの。
競輪場跡地は後に「宝ヶ池公園」という子供同伴者を除いて中学生以上立ち入り禁止の公園となった。
園内に場内スタンドの一部が残されていたが、2006年に解体撤去された。

1965年(昭和40年)8月1日 八瀬駅を八瀬遊園駅に改称。

1970年(昭和45年)北山通の修学院付近、白川通の修学院~宝ヶ池付近が開通。
修学院駅移転。

同時期に延長された市中心部直通の京都市営バス路線が当線の脅威となり始める。

1978年(昭和53年)10月1日 京都市電が廃止。
東大路通交差点を踏切に変更。
鉄軌道による他線との連絡が絶たれる。

1978年(昭和53年)10月19日 日本国内最後の集電装置集電が廃止。
全車集電装置化。

1986年(昭和61年)4月1日 叡山電鉄に分離譲渡。

1987年(昭和62年)12月10日 ワンマン運転開始。

1989年(平成元年)10月5日 京阪電気鉄道の鴨東線開通。
同社出町柳駅開業。
再び鉄道他線とつながる。

これに先立ち9月21日 鞍馬線の京都精華大前駅開業と同時にダイヤ改正を実施。
鞍馬線の区間延長が主体で叡山本線では出町柳~宝ヶ池で数本の増発。

1994年(平成6年)3月23日 ダイヤ改正による大増発実施。
平日64本、休日9~46本増発。

1960年代から八瀬遊園発着・鞍馬線直通は各々15分毎が続いていた。
改正後は、平日は八瀬遊園発着12分毎、鞍馬線直通10分毎になる。
休日は八瀬遊園発着・鞍馬線直通各々15分毎(オンシーズンは八瀬遊園発着7.5分毎)を基本としたものに変更。
2002年(平成14年)3月10日 八瀬遊園駅を八瀬比叡山口駅に改称。
2001年の八瀬遊園閉園による。
2004年(平成16年)1月13日 原則として全列車ワンマン運転に。

駅一覧

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