山科駅 (Yamashina Station)

山科駅(やましなえき)は、京都府京都市山科区上野御所ノ内町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・京都市営地下鉄の鉄道駅。
湖西線の起点であり、ゼロ距離標がある。

利用可能な鉄道路線

西日本旅客鉄道

東海道本線(琵琶湖線)

湖西線 ※路線名称上は当駅が起点であるが、運転系統上では全列車が京都駅以西へ乗り入れる。

京都市営地下鉄

京都市営地下鉄東西線(T07)

この他、以下の路線への乗換えが可能。

京阪電気鉄道 - 京阪山科駅

京阪京津線(大津線)

西日本旅客鉄道の駅はアーバンネットワークエリアに属している。

両社局の駅でICOCA(西日本旅客鉄道)及びPiTaPa(スルッとKANSAI協議会)が利用できるが、Jスルー・Suica・TOICAは西日本旅客鉄道の駅のみ、スルッとKANSAI対応カードとトラフィカ京カードは京都市営地下鉄の駅でのみ使用できる。

JR

12両対応の島式ホーム2面4線のホーム。
改札は1ヶ所(南面している)。
その改札のすぐ前に、地下鉄山科駅にいたる階段の入り口と、京阪京津線の京阪山科駅がある。
その京阪山科駅を挟んで南に京阪バスほかのバス、およびタクシーのロータリーがある(バスターミナルに乗り入れるバス路線については京阪山科駅の項目参照)。
改札口東側に、線路下を通る南北方向の通路があり、安朱地域、京都府立洛東高等学校、山科疏水(琵琶湖疏水)などに向かう時はこれを使うことになる。

各のりばにはキオスク・自動販売機がある。
また、3・4番のりばのみ待合所が設置されている。
駅構内にはキオスクがあり、周辺にはハートイン・麺家がある。

エレベーター・エスカレータ設置工事が完了し、バリアフリー化が完成。

JRの特定都区市内制度の「京都市内」東端駅。

なお、ホーム外側にホームなしの通過線を持ち、運転番線は1番のりばが2番線、4番のりばが5番線、さらに外側に6番線がある。

下り外側からは1・2番線に、湖西線からは2番線に、下り内側からは3番線のみ進入が可能。
2番線からは外側内側両方へ出発できるが、1番線は外側のみ、3番線は内側のみしか出発できない。

また、上り外側からは5・6番線に、内側からは4番線にしか進入できない。
4番線からは上り内外側に、5番線・6番線からは上り外側のみ出発。
なお、湖西線へは4~6番線全てから出発が可能。

※案内上では、東海道本線下り京都・大阪方面を「JR京都線」(本来は京都駅以西がJR京都線)、同上り米原方面を「琵琶湖線」と案内している。
これは、当駅~京都駅間では、琵琶湖線系統と湖西線系統が混在することから、便宜上直通先の名称を使うことで、同じ方向に向かう2つの系統を一まとめにしているためであるが、上記の記述もそれに従った。

京都市営地下鉄

京阪バスロータリーの地下辺りに位置し、ホームドアが設置された島式1面2線ホームを持つ。
地下鉄東西線の駅は駅ごとにステーションカラーが制定されているが、山科駅のステーションカラーは藤紫。
JR駅の改札前に階段(およびエスカレーター)があり、それを降りてなだらかな斜路を進むと地下鉄改札前に至る。
定期券売り場あり。
エレベーターは三菱製で、ストレッチャー対応(20名乗り)。

なお、京阪山科駅が近接しているため、当駅から御陵駅経由の京阪京津線への連絡切符は購入不可。

利用状況

ベッドタウンとして都市化の進んだ山科区内唯一のJR駅で、京都・大阪方面への通勤通学客が多い他、滋賀県内の湖西線各駅・びわこ線各駅間の乗換(とくに高校生が多い)利用も多い。
草津延長運転開始時は通過していた新快速は、その後の利用客の増加や湖西線から琵琶湖線への乗換利便性向上のためのちに停車するようになった。
さらに通勤客対応の特急「はるか」・「びわこエクスプレス」も停車するようになった。

一方地下鉄駅は、山科区内からの京都市中心部への通勤通学客のほか、JRから地下鉄経由の京都市中心部へ、あるいは地下鉄醍醐方面からのJRへの乗換利用客が多い。

JR西日本などは、2007年から、市内のバスの渋滞を回避できるとして行楽客の京都市内移動に鉄道利用を促すPRを行っており、南禅寺や平安神宮など東山エリアへの観光地へは山科駅から地下鉄東西線利用を勧めている。
ちなみに片道201Kmを越える切符の場合「特定都区市内着」として当駅がそのまま利用でき追加料金を要しないが、近距離、特に大阪・神戸方面から来る場合は電車特定区間や運賃特定区間運賃の対象から外れるため、京都駅で下車する場合に比して運賃がかなり高くなる。

JR西日本

2006年度の1日あたりの乗車人員は30,211人。
これはJR西日本の駅では26位で京都駅以東の新快速停車駅では最多。
ちなみに2005年度は約29,785人、2004年度は約29,237人、2003年度は約29,203人である。

京都市営地下鉄

2005年度(平成17年度)の1日あたりの乗車人員は約18,726人(乗降人員は37,704人)である。

駅周辺

駅南側は、真南に向かう京都外環状線沿いに、山科区の中心をなす商業・業務地区である。
駅前には駅周辺再開発で誕生した商業施設「ラクト山科」(大丸などが入居)がある。
駅周辺は人通りが多い為、活気がある。

駅のすぐ南を東西方向に走る細い道が旧三条通(旧東海道としての東海道)であり、その一本南を新しい三条通(京都府道143号四ノ宮四ツ塚線)が通る。
山科区唯一のJR駅であるため自転車利用者も多く、京都市の自転車駐車場(地下)だけで2000台近く駐車可能。

一方駅北側は低層の住宅地であり、その北の山麓に沿って琵琶湖疎水が流れる。
さらに北には毘沙門堂門跡がある。

駅以北

毘沙門堂

京都府立洛東高等学校

琵琶湖第一疏水

駅以南

ラクト山科(大丸やましな店、他専門店、公共施設、住宅等が入居する複合施設)

旧三条通(旧東海道)

三条通・京都外環状線

京都山科竹鼻郵便局

京都薬科大学

歴史

1921年(大正10年)8月1日 - 東海道本線の馬場駅(現在の膳所駅)~京都駅間が新ルートに改められた際に山科駅が開業。
客貨取扱を開始。

逢坂山トンネル・東山トンネルの開通によって現在の大津駅~京都駅間のルートが完成し、それに伴い開設。
それまでは、馬場駅~大谷駅 (滋賀県)~(旧)山科駅~稲荷駅~京都駅間のルートが東海道本線であった。
旧線は新線開業と同時に廃止となった(稲荷~京都間は奈良線に転用)。

なお旧線に存在した(旧)山科駅は、京都~大津間鉄道のうち、京都~大谷間が開業した1879年(明治12年)8月18日に開設された。
現行の駅のかなり南方にあり、現在は名神高速道路が通っている(地下鉄東西線小野駅 (京都府)付近)。
徳富蘆花の『不如帰 (文学)』や、萩原朔太郎の『夜汽車 (文学)』でも描かれた。

1971年(昭和46年)10月1日 - 貨物取扱が廃止。

1974年(昭和49年)7月20日 - 湖西線(当駅~近江塩津間)開業。

1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となる。

1995年(平成7年)10月5日 - 地下鉄東西線の山科駅工事開始。

1997年(平成9年)5月30日 - 地下鉄東西線の駅が開業。

地下鉄の駅はJR・京阪京津線との連絡のために設けられることが決定された。

また、その頃、都市再開発が行われた。
再開発以前は、京阪線とJR線の間に京阪バス乗り場があった。
現在は京阪線より南に路線バスおよびタクシー乗り場がある。
同バスターミナルには、京阪バス(山科・醍醐・六地蔵方面)と、高速バス(金沢・東京方面)が発着する。

その他

京都市営地下鉄の山科駅は、第4回近畿の駅百選選定駅。

山科駅から直通列車で行ける「小野駅」という駅は2つある。
滋賀県大津市(旧志賀町 (滋賀県))にあるJR湖西線小野駅 (滋賀県)と、京都府京都市山科区にある京都市営地下鉄東西線小野駅 (京都府)であるが、所属する都道府県が異なることからも分かるようにこの2駅は全く別の場所にある。

JRの山科駅ホームは盛土上にあり、地平の改札からは築堤下通路から階段を上がる構造である。
バリアフリー化工事によりエスカレータは階段横に付けられたが、エレベータは改札横から一旦ホームをまたぐ跨線橋(バリアフリー工事で新設されたもの)まで上がりさらに各ホームに降りる構造となり、大きな移動が必要である。
(余談だが、この跨線橋新設のため、下り向きには日本の鉄道信号機中継信号機が新たに設置された。)

隣の駅

西日本旅客鉄道

■琵琶湖線(東海道本線)

特急「はるか (列車)」「びわこエクスプレス」停車駅

■新快速・■普通(普通列車は京都又は高槻以西で快速となる列車含む)

大津駅 - 山科駅 - 京都駅

■湖西線(京都~山科間は東海道本線)

■新快速・■快速・■普通

京都駅 - 山科駅 - 大津京駅

京都市営地下鉄

■東西線

東野駅_(京都府)(T06) - 山科駅(T07) - 御陵駅(T08)

初代山科駅

鉄道省(国有鉄道)

東海道本線(旧線)

大谷駅 (滋賀県) - 山科駅(旧駅) - 稲荷駅

山科問題 - JRの運賃計算の特例である区間外乗車に関する問題。

[English Translation]