佛教大学 (Bukkyo University)

佛教大学(ぶっきょうだいがく、英称Bukkyo University)は、京都府京都市北区 (京都市)にある浄土宗立の私立大学。
通称、佛大(ぶつだい)。
直接の設置者は学校法人浄土宗教育資団。
同法人は華頂短期大学も設置する。

設立の経緯

1615年に浄土宗が江戸に開設した関東十八檀林の流れを汲んで1868年に知恩院山内に設けた仮勧学場が前身である(従って1868年を創基とし、知恩院三門前に「建学の碑」がある)。
その後、教学の振興と僧侶の育成を担う浄土宗の高等教育機関として発展を遂げ、学制の改革による統合・独立によって何度か校名を変更し、1912年の専門学校令による高等学院の設置を以て創立としている。
1913年に佛教専門学校と改称し、1949年に新学制により佛教大学に昇格した。
尚、1922年以前に仏教大学と称していたのは現在の龍谷大学であり、本稿の佛教大学とは無関係である。

教育・研究機構

昇格当初は仏教学部仏教学科のみの単科大学から始まったが、その後学部・学科を増やし、現在(2006年)は5学部10学科と4研究科12専攻の大学院を擁する総合大学となっている(理系では、保健医療技術学部を設けている)。
また、1953年には関西唯一・仏教系大学唯一の正規課程である通信教育課程を開設。
現在、4学部7学科3研究科12専攻で約2万名が受講しており、私立大学の通信教育課程としては全国有数の規模を誇っている。
通信教育で唯一宗教科教員免許の取得が可能な所としても知られる。

特色

名称の通り仏教を建学の理念としている大学で、学則の第1条に「仏教精神により人格見識高邁にして活動力がある人物の育成を目的とし、世界文化の向上人類福祉の増進に貢献することを使命とする」と明記されている。
元々が僧侶養成の機関であるため、全学科で浄土宗教師と浄土宗開教使の資格が取得可能である。
尚、仏教学を学ぶ学科として文学部に仏教学科があったが、2004年度の学科再編に伴い、史学科、日本語日本文学科と統合されて人文学科となった。
現在は文学部人文学科の中の浄土・仏教コースで学ぶことができる。

なお、昭和40年に廃止した仏教学部を平成22年4月をめどに復活させることを明らかにした。
学部や学科の名称から仏教」の文字を外す傾向があるなかで、「仏教研究の核になる大学」を目指すとしている。

建学の理念

建学の理念は「仏教精神」となっている。

校章

浄土宗宗祖法然の生家である漆間家の家紋であった杏葉に「大學」の文字を配している。
昭和24年4月制定。
佛教専門学校時代は杏葉に「専」の文字を配した校章だった。
因みに浄土宗の宗紋は月影に杏葉。

シンボルマーク

イニシャルの「B」の文字からカラフルな5本のラインが右方向に伸びているマーク。
大学内では校章以上に目にする。
平成3年10月制定。

学歌

昭和11年4月に佛教専門学校校歌として制定。
作詞は当時の校長である小西存祐、作曲は吉田恒三。

一、高輝る千古の都 若草の萌出るところ

ここ鷹陵の吾等が学舎 ここ鷹陵の吾等が学舎 ここ鷹陵の吾等が学舎

二、さえられぬ光こめたり 黒谷の春のあけぼの

誰ぞ開く報恩蔵 誰ぞ開く報恩蔵 誰ぞ開く報恩蔵

三、仰ぎ見よ華頂の峰 その高き教えぞ栄ゆる

還愚痴の聖存ませり 還愚痴の聖存ませり 還愚痴の聖存ませり

四、世はあげて五濁に悩む いざ立ちて仏土浄めん

選択の御旗かざして 選択の御旗かざして 選択の御旗かざして

名称

表記は「仏教大学」ではなく「佛教大学」が正しい。
また、英語表記も「Buddhist University」ではなく「Bukkyo University」が正しい。
つまり、「佛教(ぶっきょう)」という言葉を一般名詞としてではなく固有名詞として使っている。

通称は「佛大」(ぶつだい)が一般的だが、他に「フラ大」(佛がフランスの略であるため)や「ポン大」(ポンは木魚の音)という呼び方も一部ではされている。
また、紫野周辺のお年寄りの中では「佛専」(ぶっせん)と前身の佛教専門学校の略称で呼ぶ方もいる。

尚、1922年以前に「仏教大学」と称していたのは現在の龍谷大学であり、現在の佛教大学とは関係ない。

系列校

華頂短期大学

沿革
1615年 江戸に関東十八檀林を設置
1868年 知恩院山内源光院に仮勧学場を設置
1870年 勧学場となる
1871年 勧学所として入信院に設置
1875年 勧学本場となる
1876年 宗学校西部本校と改める
1877年 旧華頂宮邸に移転
1879年 浄土宗総本山宗学校に改称
1884年 西部大学林に改称
1887年 東部大学林と合併し宗学本校を設置 西部大学林は高等本科となる
1891年 宗学本校高等専門科となる
1898年 宗学本校を分割 宗学本校高等専門科は浄土宗専門学院となり百万辺山内仮校舎に移転
1901年 鹿ヶ谷に移転
1903年 専門学校令により認可される
1904年 浄土宗大学院分校となる
1904年 浄土宗大学分校となり専門科が設置される
1907年 宗教大学分校となる
1907年 宗教大学分校鹿渓会が発足(現在の学友会と同窓会)
1912年 高等学院を専門学校令により設置 宗教大学より独立(宗教大学は1926年に大正大学となる)
1913年 佛教専門学校に改称
1933年 洛北千本北大路の現在地に移転
1949年 新学制により佛教大学に昇格 仏教学部仏教学科を設置
1953年 通信教育課程を開設
1967年 第1回鷹陵祭開催
1968年 文学部に教育学科を開設、通信教育課程に教育学科開設
1971年 大学院文学研究科日本史学専攻・東洋史学専攻(修士課程)、社会学研究科社会福祉学専攻(修士課程)、通信教育課程に仏教学専攻科開設
1975年 文学部に英文学科を開設
1976年 佛教大学付属幼稚園を設置
1977年 大学院博士後期課程を開設。
文学研究科日本史学専攻、東洋史学専攻、社会学研究科社会学・社会福祉学専攻、別科(仏教専修)を開設

1981年 通信教育課程文学部英文学科開設、大学院文学研究科国文学専攻(修士課程)開設
1984年 佛教大学四条センターを開設
1986年 文学部に中国文学科を開設
1987年 大学院文学研究科英米文学専攻(修士課程)開設
1989年 教育学部を設置(社会教育学科を開設し、教育学科を文学部より移行)、社会学部に応用社会学科を開設
1991年 学校法人の所在地を東京都から京都府(現所在地)に変更、佛教大学総合研究所を開設、大学院文学研究科国文学専攻(博士後期課程)、仏教文化専攻(修士課程)開設、通信教育課程文学部中国文学科開設
1992年 佛教大学ロサンゼルス校開校
1993年 大学院文学研究科中国文学専攻(修士課程)を開設、大学院教育学研究科生涯教育専攻を開設、専攻科に仏教看護コースを開設
1995年 通信教育課程社会学部応用社会学科開設、大学院文学研究科英米文学専攻(博士後期課程)開設
1996年 通信教育課程教育学部教育学科開設
1997年 成徳常照館(新図書館)竣工
1998年 大学院文学研究科浄土学専攻、仏教文化専攻、中国文学専攻(博士後期課程)開設
1999年 教育学部社会教育学科を生涯学習学科に改称、通信制大学院(全国で最初の正規課程)を開設、文学研究科浄土学専攻、仏教学専攻、仏教文化専攻、日本史学専攻、東洋史学専攻、中国文学専攻、英米文学専攻(修士課程)、教育学研究科生涯教育専攻(修士課程)、社会学研究科社会福祉学専攻(修士課程)開設。

2000年 教育学部に臨床心理学科を開設、社会学部に健康福祉学科を開設
2001年 大学院教育学研究科生涯教育専攻(博士後期課程)を開設、通信制大学院に文学研究科国文学専攻・社会学研究科、社会学専攻を開設、国文学科を日本語日本文学科に改称、中国文学科を中国語中国文学科に改称、英文学科を英語英米文学科に改称
2002年 学校法人華頂学園と法人合併、大学院教育学研究科に臨床心理学専攻を開設
2003年 通信制大学院に仏教学専攻(博士後期課程)・日本史学専攻(博士後期課程)を開設、通信制大学院に臨床心理学専攻(修士課程)を開設
2004年 文学部仏教学科・史学科・日本語日本文学科を人文学科に、社会学部社会学科・応用社会学科を現代社会学科・公共政策学科に、社会学部社会福祉学科・健康福祉学科を社会福祉学部社会福祉学科に改組。
中国語中国文学科を中国学科に、英語英米文学科を英米学科に改称。

2005年 大学院教育学研究科臨床心理専攻(博士後期課程)開設
2006年 保健医療技術学部を設置(理学療法学科、作業療法学科を開設)、大学院社会福祉学研究科を開設
2010年(予定)仏教学部を設置予定。

学部・学科
文学部
人文学科(浄土・仏教コース、仏教芸術コース、日本史コース、アジア史コース、地域文化コース、日本語日本文学コース)
英米学科(英語英米文学コース)
中国学科(中国語中国文学コース)
教育学部
教育学科(教育学コース)
臨床心理学科(臨床心理コース)
社会学部
現代社会学科 (文化・アイデンティティコース、共生・臨床社会コース、情報・メディアコース)
公共政策学科(環境・コミュニティコース、公共マネジメントコース)
社会福祉学部
社会福祉学科(福祉援助コース、福祉開発コース、医療福祉コース、ライフデザインコース)
保健医療技術学部
理学療法学科
作業療法学科

大学院
文学研究科
修士課程(浄土学専攻、仏教学専攻、仏教文化専攻、日本史学専攻、東洋史学専攻、国文学専攻、中国文学専攻、英文学専攻)
博士課程後期(浄土学専攻、仏教学専攻、仏教文化専攻、日本史学専攻、東洋史学専攻、国文学専攻、中国文学専攻、英文学専攻)
教育学研究科
修士課程(生涯教育専攻、臨床心理学専攻)
博士課程後期(生涯教育専攻)
社会学研究科
修士課程(社会学専攻)
博士課程後期(社会学専攻)
社会福祉学研究科
修士課程(社会福祉学専攻)
博士課程後期(社会福祉学専攻)
博士課程前期は修士課程として取り扱う。

専攻科
仏教学専攻(仏教学コース、仏教看護コース)※現在、募集は停止。

別科
仏教専修

通信教育課程 学部・学科 他
文学部
人文学科(浄土・仏教コース、仏教芸術コース、日本史コース、アジア史コース、地域文化コース、日本語日本文学コース)
英米学科
中国学科
教育学部
教育学科
社会学部
現代社会学科
公共政策学科
社会福祉学部
社会福祉学科
課程本科(教員免許・各種資格)
科目履修コース(免許・資格・教養)
本科入学資格コース
教養講座(書道教養コース、仏教教養コース、京都の歴史と文化コース)

通信教育課程 大学院
文学研究科
修士課程(浄土学専攻、仏教学専攻、仏教文化専攻、日本史学専攻、東洋史学専攻、国文学専攻、中国文学専攻、英米文学専攻)
博士課程後期(仏教学専攻、日本史学専攻)
教育学研究科
修士課程(生涯教育専攻、臨床心理学専攻)
社会学研究科
修士課程(社会学専攻)
社会福祉学研究科
修士課程(社会福祉学専攻)

博士課程前期は修士課程として取り扱う。

施設概要
紫野キャンパス(京都府京都市北区紫野北花ノ坊町)
校舎(5号館以降は比較的新しく、綺麗なのに対し、1~4号館は非常に古く汚い)
図書館(成徳常照館)
園部キャンパス(京都府南丹市園部町城南)
多目的グラウンド
陸上競技場兼サッカー場
テニスコート
野球場
室内練習場
クラブハウス
合宿所
(施設ではないが敷地内に園部藩主小出公の墓所がある)
岩倉総合グラウンド(京都府京都市左京区岩倉)
多目的グラウンド
テニスコート
セミナーハウス
広沢グラウンド(京都府京都市右京区広沢)
多目的グラウンド
テニスコート
アジア宗教文化情報研究所
付属幼稚園

付置機関
宗門後継者養成道場
佛教大学総合研究所
佛教大学アジア宗教文化情報研究所
佛教大学福祉教育開発センター
佛教大学四条センター
佛教大学臨床心理学研究センター
佛教大学ロサンゼルス校
佛教大学付属幼稚園

関連施設
特別養護老人ホーム「和順の里」

学生自治会
学友会
通学課程の学部生のみが会員となる全員加盟制の学生自治会。
全日本学生自治会総連合には加盟していない。
最高執行機関である中央執行委員会と常設議決機関である代議員会を中心に運営されており、大学が公認するクラブやサークルは全て学友会の団体(中央執行委員会直属団体)となっている。
また、鷹陵祭や紫櫻祭などの通学課程の学生を対象とした祭典行事は学友会が主催する。

通信教育部学友会
通信教育課程の全学生を対象とした学生自治会。
学習の進展と親睦を目的に活動している。
学生の居住地域ごとに支部を構成し、45支部がある。
夏期スクーリングの際に祭典行事を開催する。

校友会
同窓会
宗教大学分校時代に設立され、佛教専門学校、佛教大学通学課程の学部・大学院・専攻科・別科の卒業生・修了生によって組織される。
会報「紫野」の発行や慶弔業務を行っている。
国内に28、海外に4の支部を設置する。

鷹陵同窓会
通信教育部の卒業生で組織される同窓会。
昭和32年に第1回の卒業生が出ると同時に発足した。

対外関係

国内学術交流協定校

同志社大学・龍谷大学・大谷大学・高野山大学・花園大学・種智院大学とともに京都・宗教系大学院連合に加盟している。

龍谷大学・京都産業大学・ 京都文教大学・関西福祉科学大学・ 皇學館大学・ 愛知大学・ 九州産業大学と小学校教諭免許状課程履修に関する協定を締結している。

奈良県立平城高等学校と教育連携協定を締結している。

海外学術交流協定校

アジア
大韓民国
圓光大学校
東国大学校
江南大学校
中華人民共和国
西北大学
台湾
東海大学
慈済大学
ベトナム
HUFLIT

[English Translation]