海住山寺 (Kaijusen-ji Temple)

海住山寺(かいじゅうせんじ)は、京都府木津川市加茂町にある真言宗智山派の仏教寺院。
かつて恭仁京があった瓶原(みかのはら)を見下ろす三上山(海住山)中腹に位置する。

山号は補陀洛山(ふだらくさん)、本尊は十一面観音。

聖武天皇が盧舎那仏像(東大寺大仏)造立工事の無事を祈るために建てたものと伝わる。

仏塔古寺十八尊第三番。

歴史

当寺の創建事情については必ずしも明らかではないが、寺伝では天平7年(735年)、 聖武天皇の勅願により良弁(ろうべん、奈良東大寺の初代別当)を開山として藤尾山観音寺という寺号で開創したという。

その後、保延3年(1137年)に全山焼失し、承元2年(1208年)、笠置寺の貞慶(じょうけい)によって中興され、現在の山号と寺号に改められた。
貞慶は解脱上人とも称する平安時代末期-鎌倉時代初期の法相宗の僧で、南都仏教と戒律の復興に努めた。
海住山寺も法相宗に属し、近世まで興福寺(法相宗本山)の支配下にあったが、その後真言宗に転じている。

伽藍

五重塔-建保2年(1214年)建立、昭和38年(1962年)解体修理、裳階復元

文殊堂-正和元年(1312年)建立

本堂

開山堂

国宝

五重塔 - 鎌倉時代(1214年)、裳階付、高さ17.10m、初重総間2.74m

建保2年(1214年)、貞慶の弟子である慈心上人覚真(藤原道房)が貞慶一周忌供養に建立したもの。
屋外にある木造五重塔で国宝・重要文化財に指定されているものとしては、室生寺五重塔に次いで日本で二番目に小さい。
この塔の特徴は初層内部に心柱がないことで、四天柱(仏壇周囲の4本の柱)に支えられた初層天井の上に心柱が立てられている。
また裳階(もこし)をもつ五重塔は、海住山寺以外では斑鳩町の法隆寺に存在するだけである。

重要文化財

文殊堂 - 鎌倉時代(1312年)、銅板葺

木造十一面観音立像 - 平安時代、像高189cm、一木造

木造十一面観音立像 - 平安時代、像高45.5cm、一木造。
奈良国立博物館に寄託。

木造四天王立像 - 鎌倉時代。
奈良国立博物館に寄託。

絹本著色法華曼荼羅図 - 鎌倉時代

海住山寺文書 - 鎌倉時代~室町時代

京都府指定文化財

扁額 - 2面、鎌倉時代

梵鐘 - 鋳物師丹治国忠作、室町時代(1527年)

絹本著色釈迦三尊十六羅漢図

その他文化財

六牙象像 - 鎌倉時代

岩風呂 - 鎌倉時代

もち上げ地蔵

仏足石

塔廻輪

なすのこしかけ

札所

仏塔古寺十八尊霊場 第3番

利用情報

開門時間 - 9時~16時30分

入山料 - 山内無料、本堂・本坊拝観300円

所在地

〒619-1106 京都府木津川市加茂町例幣海住山境外20

交通アクセス

JR加茂駅→奈良交通バス「和束町小杉」方面行きで3分、「岡崎」下車、徒歩30分

駐車場 - あり

周辺情報

浄瑠璃寺

常念寺

山城国分寺跡(恭仁京跡)

御霊神社 (加茂町)(旧燈明寺)

加茂文化センター(あじさいホール)

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