源氏名 (Genjina)

源氏名(げんじな)とは、源氏物語にちなんで付けられた名前のこと。

概要

源氏名とは、源氏物語にちなんで女性に付けられた(あるいは女性が名乗った)名前のことである。
当初は中世から近世にかけて公家に仕えた女官の名のことであった。
しかし、後に武家の奥女中などにおいても用いられるようになった。
「源氏名」を使用したことが確認できる最も早い事例は、『実隆公記』に記載されている。
「梅枝」という名の三条西実隆に下女として仕え永正2年(1505年)11月6日に死去した女性である。
源氏名とされるための条件は以下のようなものである。

最狭義には五十四帖の巻名のいずれかそのものに限られる。

狭義にはそれに加えて源氏物語の登場人物にちなむものを含む。

広義には源氏物語とは直接の関係ないが源氏物語を連想させるような雅な名前を含む。

もともと遊女には古くは平安時代から本名とは異なる優雅な名前を名乗る習慣があった。
江戸時代の遊郭で遊女が源氏名を使用した(但しこの段階で源氏物語とは余り関係の無い『源氏名』が多くなったとされる)。
このことから、水商売の現場で働く人々が仕事の上で使う名前を源氏物語とは特に関係が無くとも源氏名と呼ぶようになり、慣習となっている。

[English Translation]